白蝶貝のこと
仕上がって並べられた商品からは、見えない向こう側。
「デザインを起こす、下絵を描く、金粉を選ぶ、金粉を蒔く、乾かす、磨く」
地道な何十工程を積み上げて、約1カ月近くかけて、ようやく一つの商品が仕上がります。
私たちはこれらの工程の「蒔絵をする」前に
「白蝶貝を加工する」という、下準備も工房内で行っています。
お椀の行程が、挽物の職人、塗りの職人、蒔絵の職人と分業制であるように、
私たちの作る蒔絵ジュエリーの工程も、「白蝶貝を加工する」という下準備だけに、
一人お抱えの人が必要なほどの作業量ですが、
工房内では、貝の加工難易度によって役割を分けて、この作業を行っています。
Classic Koの素材の多くを占める「白蝶貝や黒蝶貝」。
今回は「白蝶貝を加工する」という下準備の見えない向こう側の
「選ぶこと」、「磨くこと」についてお話したいと思います!
「選ぶこと」
とある日。白蝶貝が工房に届きました。
早速に蒔絵職人たちが、1つ1つの顏を見分けて、輝き方や特性別にAとBとCに選別をしています。
一見すべて同じように見えますが、少しずつ異なる、貝自体に見える模様や光沢を分類しています。
よく見ると、1つ1つ光り方や光る方向性があり、木目があるように個体差があるのです。
貝がよく光っているものは、白蝶貝の面積を広くとるデザインのものに、
ちょっとピンクや青みがかっているものは、蒔絵の装飾面積が広いものに使用します。
個の数を 分ほどで振り分けられてしまいました。
「磨くこと」
そして、最後に磨きの工程です。
蒔絵とは、描いて磨いての繰り返しなので、この工程は日常のこと。
先ほど整えたアウトラインに、研磨して整えていきます。
ちなみに、こちらは何に見えるでしょうか。
実は、ふくろうさんのブローチです。
デザインにもよりますが、1つ1つの手作業で、1日に出来るのは10枚ほど。
ここまで来てようやく蒔絵を施す準備が整ったのです!
Classic Koの作品はよく見ると、いづれも柔らかなアウトラインになっています。
「ある程度ぼやっとした形にすることにより、蒔絵を生かすフォルムになっている」
とクリエイティブディレクター大下香征は語ります。
「貝を加工する」という下準備は、先代から受け継がれた技術というわけではなく、
蒔絵を生かすフォルムに仕立てるにはどうしたらよいのかという探求心に基づいて生み出されたもの。
誰から教わるでもなく、試行錯誤しながら、この「貝を加工する」という下準備の工程が生まれました。
このように一つ一つ生み出されたClassic Koらしい手仕事の形。
改めてお手に取って感じていただけたらと思います。
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